オーダーメイド陶墨画とはAbout custom-made Ceramic Plate Art
陶墨画の制作を開始した2015年の夏以来、西元祐貴は常に挑戦を重ねて参りました。特にこの数年は、世界的なパンデミック、戦争、相次ぐ自然災害等の痛ましい出来事が途絶えることなく、生命をテーマに描く西元の姿には鬼気迫るものがありました。
そんな中、孤独に描き続ける西元に力を与えてくれたのが、オーダーメイドでの制作のご依頼でした。ご依頼主様の物語に心を震わせ、その震えに身を任せるように筆を走らせていると「魂レベルで共作している感覚になっていく」と、西元は言います。
貴方様の想いをお聞かせください。西元祐貴が祈りを込めて、陶墨画として描きます。
制作の流れThe process of custom-made
1.スケッチ制作
専用フォームへのご記入内容と、スタッフとのお打ち合わせ内容をもとに、スケッチ画を描きます。いくつものパターンを描きながら、使用する釉薬、焼き方等、イメージを膨らませます。スケッチの数は、50枚以上に及ぶこともあります。
2.下絵〜筆入れ(1回目)
陶板の枚数が決まり次第、スケッチした構図を元に下絵を描きます。墨絵のタッチで描ける泥釉薬を水で薄め、背景から描き始めていきます。作品によっては、さらにガラス釉薬を重ねて塗り、1週間乾燥させます。
3.窯入れ(1回目)1230度で焼成
筆入れ後、1日乾燥させて釉薬を落ち着かせて本焼きです。1230度での焼成と冷却に4日間かかります。窯の中では、土、火、水、風が化学反応を起こし、泥釉薬が鮮やかに変容します。窯の温度が50度まで下がったら窯出しをします。その後、完全に冷めるまでさらに1日寝かせます。
4.筆入れ(2回目)
2度目の本焼きでは焼成温度を変えるため、上絵付け用の釉薬に変えて、さらに筆を入れます。主に、背景の彩色や、作品に立体感を生み出すために新しい色や、金彩を加えます。
5.窯入れ(2回目)850度で焼成
1週間かけて乾燥させた後、850度の設定で再び窯入れします。焼成開始から3日間かけて50度までゆっくりと冷却し、窯出しをします。作品によっては、4〜5の工程を何度も繰り返します。
6.落款入れ
仕上げの落款には、低温で焼成し、赤く発色する特殊な「ラスター釉薬」を使います。割れて剥がれないようにするため糊材を混ぜ、落款を押した後3日間乾燥させます。そして、いよいよ最後の焼成へと入ります。
7.窯入れ(3回目)800度焼成〜完成
最後の焼成は800度で行います。そして、4日間かけてゆっくりと冷却し、失敗がなければ完成です。しかし、万が一ひび割れや欠け等が生じていた場合は廃棄し、また一から作り直しとなるため、一瞬たりとも気を抜くことができません。陶墨画の神秘的な美しさは、こうした西元と自然のコラボレーションによって生まれるのです。